つぎにその正反対の「難しくて分厚い本」を最低1冊、読書計画リストに入れます。これは経験則でいうと1カ月ぐらいリストに入っているうえに、1カ月たっても3分の1ぐらいしか読めていないものが多いです。だいたい、それぐらいであきらめてリストから外すわけですが、それでいいのです。どんなことが書いてあるのか、そのことが頭に入っていれば、後になって本当にその本を読む必要が出てきたときに「そういえばあの本がそのことについて書いていたな」と思い出せるからです。

 もうひとつ難しい本の中から別に「以前読んだ良い本」を1冊リストに入れておきます。ちょうど今だと、マクニールの『世界史』がこのポジションで私のリストに入っています。読めば読むほど発見がある本をリストに入れておいて、その都度再発見を楽しむのです。あとは買ったばかりの本とか、まだ読んでいない本をジャンルがばらけるように5~6冊選んで、「今週読むべき本」の計画を作るのです。

 私の場合、週の前半の比較的余裕のある時間帯にざっくりとこの作業をします。端末上の書棚の一番下の方をチェックしながら、まだ読んでいない本を上記の基準でサルベージして読書計画をアップデートします。繰り返しますが、読書術の一番大切なことは「まだ読んでいない本をちゃんと見つけて、読む計画を立て、つん読を減らすこと」です。読書のロスは、買ったのにまだ読んでいない本がその最大の原因なのです。