Gさん一家がこのまま二人暮らしを続けた場合
60歳時点の資産はいくら?

 早速、Gさんの三つの悩みにお答えしていきましょう。記載の順番から言えば老後の資産形成からお答えすることになりますが、資産形成の基本は「近い将来のライフイベントの資金準備を優先する」です。

 老後の悩みは尽きないかもしれませんが、Gさんご夫婦にとって老後は最も遠い将来のライフイベントになるからです。ライフイベントを考慮しながら、まずはご自身の転職によって資産状況などがどう変わるのかから見ていくことにしましょう。

 Gさん一家の場合、家計収支を(1)共同口座、(2)夫の口座、(3)Gさんの口座と分けて管理していますが、収支はGさん世帯全体で試算することにします。

 毎月の収入は夫の手取りが40万円、Gさんの手取りが80万円の合計120万円です。ボーナスの記載がありませんので、収支は月間で見ていきます。記載のある支出を合計すると36万円です。一方、投資を含めた毎月の貯蓄額は80万~85万円と書かれています。収入120万円、支出36万円で差額は84万円なので毎月の貯蓄額は84万円とします。

 毎月の貯蓄が84万円なので、年間では84万円×12カ月=1008万円になります。現在、夫は29歳、Gさんは30歳と書かれていますが、ざっくり同年齢と考えると60歳まで30年間あります。

 年間で1008万円の貯蓄ができれば、30年間で3億240万円になります。現在保有する資産は、金融資産2650万円、資産運用額・保険1600万円の合計4250万円ですから、現状のままでも60歳時点で3億4490万円まで金融資産を増やすことができます(運用益等は考慮せず)。