Gさんが今の職業で3人の子どもを育てた場合
60歳時点の資産は?

 しかし、Gさん夫婦は現在不妊治療を受けており、またお子さんを2~3人希望しています。

 お子さんを育てる費用として1000万円と書かれていますが、教育費をどこまでかけるかで大きく変わります。私立学校への進学、保育園の費用などを考えて1人当たり1500万円、希望している3人を授かるとして、子どもの費用は合計4500万円としておきましょう。

 子どもが生まれるときには産休・育休を取ると思われますが、育休については夫が取るのか、Gさんが取るのか、現時点ではわかりません。

 試算では収入の多いGさんが産休・育休をメインに取得するとします(試算を厳しく行うため)。1人に付き産休・育休を2年間取るとします。本来、その期間は給付金の支給がありますが、試算を厳しくするために、あえて収入は「0円」とします。

 Gさんが産休・育休を取っているときも支出が変わらないとすれば、毎月の支出は36万円、夫の収入は40万円ですから、収支は一応4万円の黒字になります。しかし、今回の試算では、産休・育休期間は貯蓄への積み立て額は0円としましょう。

 つまり、2年間×子ども3人で都合6年間、貯蓄が一切できないことになるので、年間貯蓄額1008万円×6年=6048万円の貯蓄ができないことになります。

 結果として60歳時点の金融資産額は、先ほど計算した3億4490万円から、貯蓄ができなくなる金額6048万円と3人の子育て費用4500万円を差し引いた、2億3942万円というのが試算結果です。

 ただ、仮にGさんが産休・育休から仕事に復帰したとしても、産休・育休前と同じペースで働くには時間がかかると思います。資産上は完全に復帰するまでの期間を子ども1人につき1年間とし、その間の収入を半分としましょう。すると、収入は夫40万円+Gさん40万円(80万円の半額)=80万円になります。支出は変わらず36万円としましょう。年間の貯金額(=収支)は、(80万円−36万円)×12カ月=528万円です。

 3人分(3年間)で1584万円貯蓄が減ることになります。この場合60歳時点の金融資産額は、2億3942万円から1584万円を差し引いた2億2358万円です。

 さらに、例えば子どもにかかる費用を1人1500万円ではなく2000万円とした場合、3人でさらに1500万円増えることになります。当然、金融資産額は同額減少しますが、それでも60歳時点での金融資産額は2億858万円です。