では、どうして生産額ベース(67%)よりカロリーベース(37%)が30%も低いのかというと、生産額ベースでは国産の野菜や果物のウエイトが大きいからだ。国産の野菜や果物の値段は高いので、生産額ベースの寄与度は高いが、肉類よりもカロリーが低いのでカロリーベースの数値を押し下げることになる。

 カロリーベースも生産額ベースも、自給率を見るための指標に変わりはないが、いずれにせよ、国産の食料では必要なカロリーの37%しか摂取できていないというのはかなり不安だ。

輸入飼料に
依存する畜産物

 農水省は、食料自給率を総合食料自給率(食料全体)としては、カロリーベースと生産額ベースという2つの「物差し」で計算しているが、品目別自給率では「最も計算しやすい」ということで、生産量(重量)ベースで計算している。

 品目別では、カロリーや生産額を基にした数値は公表されていないが、農水省は生産量(重量)ベースでも大きな差はないとみている。

 品目別を見ると、農産物と比べ、畜産物もそれほど低くない。

 だが、飼料自給率を反映すると一気に低くなる。

 畜産物は品目別に、生産量の自給率と飼料自給率を反映した自給率の2つが公表されている。20年度の自給率は、生産量ベースで牛肉36%、豚肉50%、鶏肉66%、鶏卵97%。だが、飼料自給率を反映すると牛肉9%、豚肉6%、鶏肉8%、鶏卵12%にまで下がる。

 なお、飼料自給率(生産量ベース)は、上記を含む家畜全体でも25%とかなり低い。