「GAFAの土俵をひっくり返さなくていいのか?」と問う

高宮 ここまでが、「雲」と「雨」みたいな話だと思っています。「雲を見て雨降りそうだな」と思うところまでだと考えています。

尾原 「傘」はどのような形にすればいいかですね。

高宮 「傘の部分」についていうと、先ほど尾原さんがおっしゃっていましたけど、「個人に焦点」を当てたときには、「マイクロエコノミー」でも十分に成り立つから、個人としてはすごい「エンパワー」を持つことができます。その結果、自分の好きな生き方を追求しても、「生活が成り立ちますよね」という、ひたすら前向きな話でした。

 一方、先ほどの「生存圧力」の話の中で、スタートアップが考えるべきことがあると思います。「生存圧力により、小さいところで勝ち筋を見つけた」ことは、それはそれで「ビジネスチャンス」でいいと思います。けれども、考えるべきことは「小さなチャンスだけでいいんですか?」ということです。

尾原 そうですね。

高宮 インターネットが背景にありながら、「GAFAなどの勝ち組はより勝つ」という構造を“是”として、その中で「ニッチへ撤退してもいいのか?」と考えるべきです。もう一度、GAFAをひっくり返すために「大振りのハイリスク・ハイリターンをしなくていいのか?」と。

 小さい方を取りにいったがゆえに「自分自身で市場の限界や天井を決めてしまっていいのか?」ということを、一歩引いて冷静に考えてほしいのです。「そろばんベース」で勝ち筋を考えると、「GAFAとすみ分ける」という話になるのだと思いますが……。

尾原 「パッション・やりたいこと・大振り」の3つで考えたときに、この構造を受け入れて「その土俵の上で出場するところ」を探すだけでいいのか、「土俵そのものをひっくり返すこと」は考えなくていいのかということは、考えた方が良いですね。

>>(3)に続く