10月にココカラファインとの統合を控えるドラッグストアのマツモトキヨシの親会社「マツモトキヨシホールディングス」の優待もお得感がある。マツモトキヨシなどの店舗で使える商品券で、100株以上の株主には2千円分が年2回送付される。

 自社製品セットが人気なのは、カレーの「ハウス食品グループ本社」や、カップヌードルの「日清食品ホールディングス」。両社の製品は共に海外にも普及しており、今後もグローバルな成長が期待される。自社製品といえば忘れてはならないのが、「タカラトミー」だろう。優待品のトミカやリカちゃん人形は、非売品ゆえにマニア的な人気がある。

「オリエンタルランド」(OLC)は、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーで使える株主用パスポートの優待で人気を博す。コロナ禍でディズニーランドやディズニーシーが入場制限を余儀なくされ株価はパッとしないが、財務は安定しており、長期の株主になるなら今が“仕込み時”という見方もできるだろう(なお現在、株主用パスポートによる入園は抽選制になっている。ただし、一定の条件を満たせば、応募3回以内で当選するよう配慮される)。

 一方、ともさん氏が挙げてくれたのは、自身も保有しているという優待銘柄。いずれも、8月末時点でともさん氏の“割安の基準”を満たしているものだ。

「おススメは9月と3月の年2回優待が受け取れる銘柄。ちょうどお中元とお歳暮の時期に送られてくることもあり、長期保有の動機付けになります」(ともさん氏)

 根強い人気を持つのが、お米券やお米そのものがもらえる優待。割安なともさん氏銘柄の中では少々値が張るが、「100株以上でお米券3キロ分が年2回」とお得なのが「丸一鋼管」だ。「キムラユニティー」や「オーハシテクニカ」も100株以上で年2回、お米券が届く。前者は2キロ分、後者は1キロ分だが3年以上継続の株主にお米券1キロ分の上乗せがある。「アルビス」の優待は商品券か北陸地方の名産品ギフトだが、9月の優待はお米も選べるという。

 ともさん氏のお気に入りの優待品が、「大冷」の冷凍食品と「ベルーナ」のワイン。大冷の冷凍食品では、食べやすい骨なし魚が高評価だ。

 また、ともさん氏がこっそり教えてくれたお得な優待が「ティーガイア」。同社の優待品は100株以上でQUOカード1千円分(年2回)だが、1年以上保有すると1千円分が、議決権を行使すると500円分が、それぞれ上乗せされる。

 ちなみに、ティーガイアは配当利回りも3%台後半と高い水準にある。ともさん氏のように「優待も配当もしっかりもらいたい」という投資家なら、ティーガイアやオーハシテクニカなどの高配当利回り銘柄が狙い目かもしれない。(ライター・森田聡子)

週刊朝日  2021年9月17日号

AERA dot.より転載