自分の説明で理解できたかどうか、不足している部分がなかったかどうか、そちらの心配をしただけなのだ。でも、それが上司に通じるかどうかは、それまでの上司との関係性にかかってくるのだ。

 会議や商談などでは、「これでよろしいでしょうか」、「いかがだったでしょうか」という言い方のほうがあたり障りがないと覚えておきたい。

「これで大丈夫です」を上司に失礼なく伝えるには?

 次の言葉も目上の人に対して使うと失礼になる。たとえば、「この資料、ちょっと確認してくれないかな」と、自分が関わっている仕事の書類を上司から渡された。目を通してみると、とくに問題も間違いも見当たらない──。

 さて、このような場合には上司に対してどのように返事をすればいいだろうか。つい、「これで大丈夫です」とか「とくに問題ありません」「これでかまいません」などと言ってしまいがちだが、これは自分と同じ立場の人に対してならともかく、上司や目上の人に対しては失礼だ。

 なぜなら、これらはどれも上から目線の言葉になるからだ。とくに、「かまいません」という受け答えには、別にどちらでもいいというニュアンスが含まれるので、輪をかけて失礼になる。

 こういう場合には、「とくに問題ございません」「これでお願いします」などという言い方をするといい。さらに丁寧に言いたい場合は、「これで進めていただければと思います」と言えば相手を敬う気持ちが伝わる。

 また、自分のほうから見てもらいたい資料を渡す場合には、「見てください」ではなく、「ご確認よろしくお願いします」や「お目通しください」と言えば丁寧だ。こうした言葉のやり取りで、仕事は思った以上に円滑に進むようになるのである。