添えるだけで好感度が上がる「お断り言葉」とは

 上司に限らず、誰かのお誘いを断るのはなかなか言葉選びが難しい。たとえば、「○○さんも、コーヒーいかがですか?」と聞かれたとき、「あ、けっこうです」で終わってしまったら、ちょっとぶっきらぼうな感じを与えてしまうはずだ。せっかくの好意で聞いてくれたのに、不愉快な思いをさせてしまいかねないだろう。

 そんな時「今はけっこうです。どうもありがとう」と言えば、ずいぶん印象が違うはずだ。ありがとうという感謝の言葉をひと言添えるだけで、受け手の印象は天と地ほども違ってくるのである。

 とくに上司や取引先などの誘いを断る時は、「ぜひご一緒したいのですが」「せっかくの機会なのに残念です」という残念な気持ちを表わす言葉を添えるといいだろう。加えて、「また機会があったら誘ってください」などと言っておけば、不快感を与えることも少なくなるはずだ。

 相手の問いに対してイエスかノーだけで返答するのではなく、ひと言添えるというやり方は、さまざまな場面に応用できる。「あの件はどうなりましたか?」と問われた時、「知りません」だけではなく、「私ではわからないのですが、○○さんに確認してみます」というように、質問の意図をくんでひと言添えることを心がけておけば、コミュニケーションのスキルはぐっとアップするのである。

「できません」「わかりません」をいい印象で伝えるには?

 また、相手に伝えにくい表現をいい印象で伝えるにはどうしたらよいだろうか。外国人がよく日本語が難しいとしてあげるのが、同じ意味でもいくつもの表現方法がある点だという。そのわかりやすい例の1つが、「できません」の言い換えである。

 たとえばレストランで「このセットにコーヒーつけてもらえますか?」と頼んだ時、いきなり「できません」と言われるとあまりいい気はしないはずだ。そこで、「いたしかねます」と言われたらどうだろう。「そうか、それならしかたない」と素直に納得できるのではないだろうか。