尾行の開始は依頼者の希望される場所、基本的には対象者の自宅から開始することが多いです。

 一度も見たことがない人をキャッチ(対象者と断定して補足)することがどれだけ難しいか、こればかりは経験しないと分からないと思います。

 最初のキャッチに成功しないと調査自体が進みません。

 キャッチの確率を上げるため、探偵は依頼者からなるべく多くの情報を得ることを心がけます。身長・体重・体格や身体的特徴・髪形・服装・靴・持ち物・歩き方や速度・クセなど、とにかく対象者をほんの数秒見ただけで断定するために、情報はどれだけあっても困りません。オトす(キャッチを失敗するや見失う)不安は1%でも排除したいのです。依頼者からは普通のこととして捉えている対象者の行動やクセも有意義な情報となり得るので徹底的に聞き取りします。

 可能であれば依頼者から対象者が自宅を出るタイミングを教えてもらったり、依頼者と電話をつなぎっぱなしにして、家庭内での対象者の行動音と目視している対象者の行動をすり合わせたりして、キャッチすることもあります。

探偵はどこまでも尾行を続ける
尾行をやめるときとは?

 考えうる限りの手段を用いて対象者をキャッチできたら、そこからやっと尾行が始まります。キャッチさえできれば調査の40%は成功したといえます。あとの10%はオトさない(見失わない)ことと、もう50%は証拠の撮影です。それぞれやはり別々の特殊スキルの習得は必要です。これは、また別の機会にお伝えさせていただきます。

 探偵はどこまでも尾行し続けます。コンビニやスーパーやレストランなどの立ち寄り先も、情報取得の必要があれば潜入します。遊園地や巨大商業施設も一緒に入ります。依頼者からの指示がない限り尾行をやめることはありません。