マスコミの扇動力で国民パニックは経験済み、新首相いかに

 菅首相に対しても、総裁選直後は「たたき上げの苦労人」「パンケーキ食べる姿がかわいい」なんてチヤホヤして、「既得権益の打破」を掲げる菅首相を応援する声も上がっていた。が、そういうハネムーン期間が終わった途端、長男の総務省接待、河合夫妻買収事件、モリカケの説明が足りないとたたき始めた。そして、コロナ対策でトドメを刺した。

 これは国民がノーを突きつけたということになっているが、国民を扇動したのは他でもないマスコミだ。

 彼らの扇動力の高さは、「コロナパニック」を思い出していただければ明白だ。昨年4月には、マスクやトイレットペーパーを買い占めたり、病院や保健所に無症状の人が押しかけて、職員に罵詈雑言を浴びせたりした。

 本連載の『岡江久美子さんの遺骨帰宅を生中継、「恐怖報道」が医療機関を殺す理由』の中で詳しく述べたが、当時はまだ新規感染者も死者も他国と比べて桁違いに少なかったが、ワイドショーが連日、過剰なまでにコロナの恐怖を煽った。

 それがトイレットペーパーやマスクの買い占め、医療関係者への差別やイジメを助長した。無症状の人たちは、「もしかしてコロナかも」と保健所や医療機関に押し寄せて現場を大混乱させたのである。「マスコミを世界一信頼する国民」ならではの、集団パニックといえよう。

 だからこそ、岸田氏が長期政権を目指すには、まずは何をおいても「マスコミ対策」が重要となる。と言っても、それは菅首相より愛想よくしゃべるとか、記者たちと仲良くお茶を飲むとかではない。彼らの多くはサラリーマンなので、どんなにいい関係を築いてたところで、たたいていいムードになったら社命に従い、人が変わったようにネガティブキャンペーンをスタートさせる。

 では、どのような「マスコミ対策」かというと、「熱烈な支持者やメディア」を増やしていくのだ。