まずは、岸田氏は立候補表明のときから「若手の起用をする」と明言しています。初入閣の若手人事ということであれば、先の党風一新の会からも1人か2人を登用しても面白いかもしれないと思っていた矢先の福田達夫総務会長の大抜擢です。さらに武部新氏を登用するとしたら、彼は二階派の所属議員なので「二階派からも登用している」ということにもなります。

 とにかく、若手の起用を掲げている以上、目新しい誰かを起用することになることは間違いないです。

 となると、目新しさの面からいくと小泉進次郎氏はどうなのでしょうか。目新しいかどうかでいうと、もう入閣していますし、目玉にもサプライズ人事にもならないですよね。

 そして、もう一点は何といっても女性閣僚でしょう。これはかねて日本の課題であり、女性の就く閣僚ポストが軽量なことで世界から日本の女性の社会進出は遅れていると評される一つの要因になっているのです。

 だからこそ、ここは思い切って!といきたいところですが、ベテランの女性閣僚の顔ぶれはもう一巡も二巡もしています。

 だから、このあたりで新しい初入閣の女性閣僚を期待したいのです。となったら、私の頭には一人しかいません。女性で初の自民党青年局長を務めている牧島かれん氏です。かれん氏が入閣したら……目玉にもサプライズにもなりますよね。

 このような新鮮で期待感のある人事を発表しつつ、先にも挙げたように戦った政敵たちもみんなまとめて「挙党一致」の布陣にして衆院選を戦うことになるでしょう。

 9月は自民党総裁選、10月と11月は総選挙。夏のオリンピックが終わり、秋は「政治の季節」になります。

 自称・政治評論家の道を歩み出した私も、この秋は忙しくなることをこっそり期待しています。

(元衆議院議員 宮崎謙介)