マッチングアプリ利用者の
リアルな声は?

 さて、気になるのが、実際のところ40~50代は、マッチングアプリでどうやって出会っているのか、ということだ。現在進行形でマッチングアプリを利用している40~50代の2人に、その実態を語ってもらった。

思ったより「いいね」が来た!

 40代前半で今は基本テレワークだという実花さん(女性・仮名)は、この夏の緊急事態宣言をきっかけにマッチングアプリを始めたアプリ初心者だ。

「この1年半で、新しく知り合った男性は20歳近く年下の会社の新人君と、週に1度頼んでいる宅配のオジサマだけ。さすがにこのままじゃダメだと思って……」とコロナ禍になって休止していた婚活の再開を決めた。「このご時勢に婚活パーティーに参加するようなリスク管理のできない男はイヤ」だという理由でマッチングアプリを始めたが、思ったよりも男性から「いいね」をもらうことに驚いたという。

「(コロナ禍の)今は新たな出会いをすること自体が難しいのに、この年になって独身で恋愛や結婚に前向きな人間同士がたまたま実生活で出会うなんて奇跡でも起きないと無理じゃないですか。40を過ぎた女性は、恋愛に積極的な姿勢を見せると『気持ち悪い』『みっともない』なんて言われたりしますし……」という実花さん。マッチングした複数の男性とは感染リスクを考えて直接会うまでには至っていないが、マッチングアプリでの新たな出会いを楽しんでいるそうだ。

コロナ禍は「追い風」

 50代半ばの政雄さん(男性・仮名)は、コロナ禍前からマッチングアプリを利用してきた。「コロナ禍は僕にとっては追い風」と語るほど出会いやすさに変化を感じている。「前は年齢か年収の壁で足切りされてたんでしょうね。でも、今はマッチングどころかトントン拍子にデートの約束までできてしまうことも多い」という。

 以前はいくつもある出会いの選択肢の一つがマッチングアプリだった。しかし、外出自粛やテレワークで出会いの選択肢が減ったことで、マッチングアプリで出会いを積極的に探す人が増えたのではないかと政雄さんは見ている。

「意外に、リアルで会いたいという女性が多くて驚きました。基本はオンラインだから、コロナ禍前より同時並行でのやりとりがしやすいし、オンラインデートは金もあまりかからない。実際にデートしても酒なしだとリーズナブルだし、今は有り難い状況だよ」という政雄さんは、オンラインやリアルで複数の女性とデートをしながら相性の良い人を探しているそうだ。

 マッチングアプリでも実生活でも、出会いは出会いでそこに差や良しあしはない。リスクがあるのは、マッチングアプリ以外での出会いでも同じだ。コロナ禍でリアルな出会いの機会が減少する中で、恋活・婚活を考える40~50代は忌避せずにマッチングアプリを出会いの選択肢に入れても良いのかもしれない。