あなたは社外でも通用する?
テストマーケティングの勧め

人を活かす経営の新常識前川孝雄氏の著書『人を活かす経営の新常識』

 本当にやりたいことが見えてきたら、今の職場や会社を離れても自分は通用するのか、テストマーケティングをお勧めします。自分が蓄積してきたあまり自覚していない経験や力が、社内外で評価される場合があります。反対に自分では「○○が得意」と思っていても、そのままでは役に立たないかもしれません。それを他流試合で試すのです。

 具体的には、社内の兼務制度(他部署支援)や提案制度、出向制度などの機会があれば積極的に手を挙げましよう。他部署の同僚に頼み、個人的に知識や技術を習うこともよいでしょう。また、友人や知人ルートをたどって、社外で手伝える仕事や学習機会がないか模索してみましょう。副業が解禁されているならば実際に働いてみるのもよいでしょう。それが難しいならば、地域活動やPTA、ボランティア・NPO などの社会貢献活動への参加もよいでしょう。会社村から飛び出してみると、いかに自分が知らない世界があるかを痛感しショックを受けるかもしれませんが、自分の可能性も広がるはずです。

 そして、ぜひ行いたいのが働き方マインドのリセットです。会社に雇われているという意識から、会社や上司を顧客として働く心構えに切り替えるのです。自分は、独立してこの会社に常駐することになった経営者兼プロフェッショナルだと考えてみましょう。そうすれば上司はお客様ですから、そのニーズを酌み、いかに期待を超えて満足してもらうかが仕事になります。注意や叱責もサービス向上の参考になるクレームと受け止め、改善に努めます。この積み重ねで、給料は貰うものではなく、自ら稼ぐものという意識に変わっていくでしょう。これこそキャリア自律したプロフェッショナルへの道のりなのです。