ジョブズは、そんなアップルの創業者として知られているが、アップルコンピュータカンパニーの創立メンバーは他にもう2人いた。ギーク(オタク)肌のエンジニアで、創業のきっかけとなったコンピューターのApple Iや、その改良型でアップルの初期のビジネス基盤を築いたApple IIの設計者、スティーブ・ウォズニアック(ウォズ)。そして、Apple Iのマニュアル制作や最初のロゴデザイン(リンゴの木の下で本を読むニュートンの姿を描いたもの)を担当したロナルド・ウェインだ。ただし、ウェインは、野望に燃えたジョブズについていけず、10日余りで退社している。

創業メンバーの1人だったロナルド・ウェインが1976年にデザインした最初のAppleロゴ。しかし、翌1977年の法人化とともにジョブズは現在に続く洗練されたデザインへの傾倒を深め、それに合わせて有名なレインボーのAppleロゴへと切り替えた創業メンバーの1人だったロナルド・ウェインが1976年にデザインした最初のAppleロゴ。しかし、翌1977年の法人化とともにジョブズは現在に続く洗練されたデザインへの傾倒を深め、それに合わせて有名なレインボーのAppleロゴへと切り替えた(Copyright Apple Inc.)
Apple IIの拡張スロットを巡っては、ジョブズとウォズニアックが大いに主張を戦わせた。オープン規格にして様々なユーザーや企業による機能拡張に期待したウォズニアックに対し、ジョブズは、すべてのユーザーが平等に使えるクローズドなアーキテクチャを好んだApple IIの拡張スロットを巡っては、ジョブズとウォズニアックが大いに主張を戦わせた。オープン規格にして様々なユーザーや企業による機能拡張に期待したウォズニアックに対し、ジョブズは、すべてのユーザーが平等に使えるクローズドなアーキテクチャを好んだ(Photo:Wikimedia Commons)
初代Macintoshの正面にはレインボーのAppleロゴのみが配され、製品名を示すプレートはバックパネルの左肩に付いていた。これは、ショップや企業の受付などで使われることを想定し、訪問者に対してMacintoshであることをアピールするためだった初代Macintoshの正面にはレインボーのAppleロゴのみが配され、製品名を示すプレートはバックパネルの左肩に付いていた。これは、ショップや企業の受付などで使われることを想定し、訪問者に対してMacintoshであることをアピールするためだった(Photo:Wikimedia Commons)

 また、法人化にあたっては、投資家のマイク・マークラを起業メンバーに加え、マークラが、彼の元同僚で半導体メーカーのナショナル・セミコンダクター出身のマイケル・スコットを経営のプロとして引き入れ、社長兼CEOとした。