かといって、何でもポジティブな口ぐせに変換すればいいというものではない。口ぐせはいつの間にか心の奥底に根差しているものであり、手放すことは容易でない。

 たかが口ぐせ、されど口ぐせ。もし古い口ぐせを手放し、新しい口ぐせを身につけることができたら、人生が変わるかもしれない。本書は、そうした口ぐせとのつき合い方を教えてくれるマニュアルだと言える。(しいたに)

本書の要点

(1) “口ぐせリセット”は、言葉に影響されやすい人が迷い込むネガティブなスパイラルから抜け出す助けとなる。口ぐせを大きく変えることで性格も人生も好転していく。
(2) 「普通は~」「基本は~」「世間では~」といった口ぐせは「自分は世間一般と同じ感覚で“普通”だ(、だから正しい)」という主張につながる。しかし、その普通は社会の“普通”とは限らず、押し付けがましい印象を与えかねない。
(3)「ムダ」「ダメ」「ダカラ」といった“ダ”がつく口ぐせは要注意だ。相手の基準を否定し、無理に自分の基準を通そうとする言葉である。

要約本文

◆口ぐせを味方につける
◇口ぐせリセットの効用

 言葉は人間の心理に大きな影響を与える。特に強く影響されやすい人として、(1)コミュニケーションを苦手とする、(2)人間関係で緊張してしまう、(3)人とは違う点にこだわりをもつという3つのタイプが挙げられる。

“口ぐせリセット”は、これらのタイプの人間が迷い込むネガティブなスパイラルから抜け出す助けとなる。

 言葉に影響されやすい人は、ポジティブなスパイラルに入る口ぐせの効果も絶大だろう。口ぐせをガラリと変えることによって、性格も人生も好転していく。