すると、「寝て起きたら、昨日の嫌なことを引きずっていない」と思えたという。朝一番で「癒される」と言うと、夜ぐっすり眠れた気分になったのである。

 日中忙しく立ち働いていても、一息ついてソファーに座って「癒される」とつぶやいてみる。すると、再び全身の筋肉がほぐれ、ほんの30秒座っただけで体力が回復してくるのを感じたそうだ。

【必読ポイント!】
◆人間関係と口ぐせ
◇なんであの人は?

「人の悩みはすべて対人関係のせい」とする心理学もあるが、心地よい人間関係を維持するのは難しい。人間関係において避けたい口ぐせもあれば、反対に人間関係を好転させる口ぐせもある。

「なんで、あの人はあんな失礼なことを言うんだろう?」。カチンとくることを言われ、「なんであの人は?」という問いが、頭の中でぐるぐる回ってしまうことはないだろうか。そうすると相手の意図を邪推するようになり、最後にはその人を憎むようにさえなってしまう。

 そんなときにすすめたい口ぐせは「もちろん~」だ。何か言われたときに「もちろん、あなたの言っていることもわかります」といった具合に使う。これによって、相手の意見や反論を受け流すだけでなく、否定されかけた自分の発言や意見を守る効果もある。

 さらに、心の中で「どうでもいいじゃない」という口ぐせを唱えてみる。すると、「あれ?本当にどうでもいいかも」とネガティブな気持ちを引きずらなくなる。

「もちろん~」と「どうでもいいじゃない」は、こじれがちな人間関係を楽にしてくれる合わせ技である。

◇あの人サボっている!

 仕事ができる人が、周囲の同僚などの働き方を見てつい頭の中でつぶやいてしまうのが、「あの人サボっている!」だ。口に出さずとも、つい頭の中に浮かんでしまい、思い悩んでしまうこともあるだろう。

 そこで著者がすすめるのは「よくやっている」という口ぐせだ。「あの人サボっている!」と思ったとき、あえてこの言葉に置き換える。そうすると、周囲の人間も自分の能力の範囲内で、精一杯やっているように思えてくる。