出口調査になかなか立ち会えないワケ

 2021年7月に行われた都議会議員選挙でも、まさしく午後8時になった途端、開票率0%の時点で当選確率が出ました。

 NHKの出口調査では、都内484箇所の有権者4万3600人を対象に2万6359人から回答を得ていると記載があります。2万人以上の回答ということは、先ほどの2000人よりはるかに多いサンプル数といえますが、この日もやっぱりネットは大いにザワついていました。

 ただし、疑問が残ります。「出口調査している人なんて出会ったことない」「出口調査ってすぐにいなくなるけど、なぜ?」と。これもあっという間にわかります。NHKの例では、4万3600人に調査した場合、そもそも全体投票数が約470万票なので、割合としても100人に1人の調査です。

 もし、484か所で聴くとしたら、1会場当たり90人ほど聞けばいいことになります。投票開始の時間である午前8時30分頃から10時間ほどの間で聞くのであれば1時間あたりたったの9人。ほとんど出会うことはなさそうですね。

 あくまで、統計の出口調査によって「当選予測」を出す手法をお伝えしております。国政を決める投票の1票1票、大事な票です。

どっちが怖い?どっちがお得?数学トリックにご注意を

 たとえば海外旅行の旅行先を決めるとき、または引っ越し先を決めるときは、移動先がどんな所なのか事前に下調べすると思います。治安や交通情報もしっかりチェックして、安全な地域を選びたいところです。そのときに、「数字トリック」にご注意を。数字感覚を身につけて、惑わされないようにしましょう。

質問です。次のうち、どちらの国が怖い印象を受けますか?

【A国】1日あたりで交通事故に遭う確率0.001%の国
【B国】死ぬまでに4人に1人は交通事故に遭う国