金融のプロが考える
高校生に教えたい「10の金融知識」

 中学生、高校生を対象とした金融教育のテキストや動画コンテンツはすでに複数ある。インターネットで検索すると、金融庁、日本銀行、日本証券業協会、日本ファイナンシャル・プランナー協会など、複数の組織が一般向けに提供している。

 これらのそれぞれに「使える部分」があるのは事実だ。なのだが、例えば、金融ビジネスの業界団体が提供するテキストやコンテンツでは、業界のビジネス上の利害からして、「金融商品を評価するに当たって手数料がいかに重要なのか」といった、それこそが「生きる力」に直結するテーマについて伝えにくい。

 仮に、高校生に本気で必要な金融知識を教えるとしたら、何が大事なのかを考えてみた。例えば、以下のような項目だろう。10個挙げてみた。

(1)お金の意味
(2)貯蓄の必要性
(3)税金と社会保険料
(4)複利の計算
(5)割引現在価値の考え方
(6)投資と投機の違い
(7)リスクの見積もり方
(8)分散投資の効果と重要性
(9)金融商品の手数料コストの重要性
(10)金融で他人を頼ることの危険

 教え方は、単にテキストを読み上げるだけではなく、生徒の「作業」を伴う形がいい。手を動かして計算したり、議論に参加したりする方が、知識は定着する。お金の問題は「自分で分かって、自分でできる」ことが大事だ。

 以下のような感じでどうか。1学期分の授業プログラムを考えてみた。