「運動は健康によい」と言われる。運動によって心身を健康に保つためには、どうしたらいいのか。ラグビー日本代表メンタルコーチのデイビッド・ガルブレイス氏が、挫折しないエクササイズの秘訣を特別に教えてくれた。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)

挑戦し続けることがプライドと
達成感を生み、人生が楽しくなる

ラグビー日本代表メンタルコーチが教える、挫折しないエクササイズの秘訣デイビッド・ガルブレイス
ニュージーランドの臨床心理学者。2019年よりラグビー日本代表のメンタルコーチを務める。『才能を解き放つ勝つメンタル ラグビー日本代表コーチが教える「強い心」の作り方』(マガジンハウス)が好評発売中

 ラグビーはピッチ上に30人が入り乱れてプレーする複雑なスポーツです。味方ボールか敵ボールか、ポゼッションが目まぐるしく変わるので、瞬間ごとに判断を求められます。これらに加えて、生身のカラダがぶつかり合う格闘技の面もあります。そうしたプレッシャーのなかでメンタルの強さは、適切なプレーを選択するうえで大事になってきます。

 ラグビーワールドカップが近づくにつれて、私は選手たちに強いプレッシャーをかけました。名付けて「have to(やるべき)セッション」です。例えば、キックの練習をする選手に対しては、5本中5本成功すべき、と伝えました。もし1本でも失敗すれば2分間きつい筋トレをするように伝えました。

 4年に一度の大舞台で選手たちは信じられないほど大きな重圧を受けます。試合本番でもないような強いプレッシャーを練習からかけ続けることで、本番でも力を発揮できたと思います。この練習をする際に私は「結果は二の次で、いつもどおりやれることが大事だ」と伝えました。キックを100%成功するのがメインの目的ではありません。プレッシャーをプレッシャーと感じないための訓練です。

 ラグビーは前後半合わせて80分、ピッチは100メートルあります。肉体をぶつけながら走ると、相当消耗します。カラダが疲れていると判断が鈍ります。そこで筋力トレーニングをして疲れたあとに、ナゾナゾを出しました。「水をいっぱいためるのに、穴だらけ。これな~に?」。答えられないと筋トレです。ちなみに答えは「スポンジ」です。