テレワークが長くなると起きがちな問題三つ

パターン1:管理職はうまくいっていると思っているが、部下はうまくいっていないと感じている

 研修提案をする際に管理職にヒアリングをすると、「テレワークでは困っていない」と答える方が多い印象です。しかし、その部下の人たちに確認すると、「聞きたいことが聞きたい時に上司に聞けない」「先輩への相談がしにくい」などといったコミュニケーションの悩みを感じています。

 上司からすれば、部下や仕事の関係者に対して聞きたいことを聞きたいタイミングで聞けているので、特に困っていないのでしょう。職場から切り離されて在宅勤務をしている若手や入社して間もない中途入社の社員からすると、忙しいに違いない、見えない上司に質問すること自体、テレワークでは勇気がいることなのです。

 気の利いた上司は「わからない事があればいつでも質問していいよ」と部下に伝えることでしょう。しかし、部下側からすればいくら上司からそのような言葉があったとしても、タイミングがなかなか計れず、気付くとアクションが遅れて大事故につながることもあります。報連相はネガティブな情報ほど早く伝えて、チーム全体で打ち手を考える必要があります。しかし、上司への報告が遅れることでタイムリーに対処ができず、後から上司に「なんで報告しないんだ!」と叱られるケースもあります。それを個人の問題として責めてしまうと、さらに報告がしにくい状況になり、オンラインでのコミュニケーションに躊躇(ちゅうちょ)するようになります。上司からするとなんでも聞いてあらかじめ伝えてあったのだから、伝えなかった個人の問題になりがちです。しかし、大切なことを伝えるための仕組みや、報連相をする際のルールなどは、テレワークだからこそ決めておかなければなりません。