業務を効率化するには適切な情報共有が大事

『テレワークで部下を育てる』片桐あい著 青春出版社刊 1540円(税込)『テレワークで部下を育てる』片桐あい著 青春出版社刊 1540円(税込)

 次に、業務の効率化を図るために必要なのは、適切な情報共有です。テレワークで特に注意すべきことは、離れたチームメンバーの仕事に漏れやダブりが起きないようにすることです。そのためには誰が何をしていて、どんな状況なのかをお互いに可視化しておくことが重要です。きれいに担当分けができている仕事は、行き過ぎると属人化する可能性があり、その業務の担当者がいないと仕事が回らない状況に陥ります。

 担当分けをする時には、必ずメインとサブを置くように業務の割り振りを考えることも大切です。また、マニュアルやFAQ(よくある質問集)を作成するなど、最低限チームメンバーがフォローできるような状態をあらかじめ作っておくとよいでしょう。

 また、コールセンターのように、入ってくる仕事をチームでさばくような仕事の場合には、スキルが高く経験が長い人に仕事が偏りがちです。業務の優先順位と難易度を加味して業務を割り振る人(ディスパッチャー)を置くと、スムーズに仕事が回ります。それにより、業務の抜け漏れをなくし、メンバーの業務量の偏りもコントロールすることができます。

 業務量や業務の複雑さ、チームの体制にもよりますが、テレワークでの問題点を洗い出し何が最適なのか、現場の声を拾い集めてトライ&エラーを繰り返していくことで、よいチームができ、部下の不満・悩みも解消していきます。

「こうすればいい」という正解は一つではありません。どうすることがそのチームにとっていいのか、最適解を探していく旅をメンバーと楽しむくらいの余裕を持てれば、離れていてもチームとしての一体感を感じることができるでしょう。