命を守る「血管」がボロボロに!心臓病や脳卒中を招く動脈硬化のリアル血管へのダメージで一番深刻なのは、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化だ。どうすれば防ぐことができるのか
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運動によって心身を健康に保つためには、どうしたらいいのか。今回は、命を守るために最も重要なインフラである血管について考える。血管へのダメージで一番深刻なのは、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化。これは運動によって防ぐことができるのだ。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)

寿命を決めている大事な血管を
運動によって蘇らせる

 カナダの伝説的内科医、ウイリアム・オスラーは約100年前、「人は血管とともに老いる」という名言を残した。血管は全長9万キロメートルに及び、約37兆個の全細胞に血液を届けるインフラ。血液から酸素と栄養素が得られないと生命活動はストップする。

 水道管や高速道路のような社会的インフラなら、古くなったら取り替えられるが、困ったことに傷んだ血管を取り替えるわけにはいかない。だから、オスラーの言う通り、「人は血管とともに老いる」のである。

 血管へのダメージでいちばん深刻なのは、動脈硬化。運動不足や肥満などによって、心臓から末梢へ血液を送る動脈が硬くなり、血液が詰まりやすくなった状態である。動脈が心臓で詰まると心臓病、脳で詰まると脳卒中となり、いずれも日本人の死因のトップランクを占める。

 筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也教授は、こう語る。

「庭仕事のために買ったばかりのホースは柔らかくてしなやかですが、庭に何年も置きっぱなしだと徐々に硬くなり、水を通しにくくなって、少しでも力を加えるとひび割れたり、パキンと折れたりします。動脈硬化を起こした血管は、長年放置していたホースのように脆くなり、血液を通しづらくなるのです」

 命を守るために最重要な血管をレスキューするのが、有酸素運動。何がどういいのか。