田中社長は、「貧困に起因する課題はさまざまだが、食にまつわる企業や業界の取り組みが評価されている」と述べる。

巧みなコンテンツ活用で
取り組みの認知度を定着

 ローソンはSDGsに関する情報経路として「ネット動画やSNS」で全業種中1位(4.7%)、無印良品が2位(4.2%)にランクイン。また、無印良品は「企業の商品やサービス」からの情報で全業種中1位(7.8%)を獲得した。

 インターネットにおいて動画サイトやSNSなどを通じた口コミによって爆発的に情報拡散するケースが増えており、企業側でも取り上げやすい仕組み(ネタ)づくりに躍起になっているケースも少なくない。ランキング上位の企業においては、いずれもSDGsにつながるコンテンツがSNSで話題を集めている。

「販売・取扱店や営業員」からのSDGs情報が多い企業では、全業種中で無印良品が1位(4.3%)。次いで2位イオン(3.8%)、3位ローソン(3.6%)、4位ドトールコーヒー(3.4%)、5位ユニクロ(3.4%)だった。

 SDGs情報の伝達経路として「販売・取扱店や営業員」を挙げたのは、調査対象である210社平均で1.5%であり、決してメインの経路とはなっていない。そんな中で、流通業が上位を占めていることについて、田中社長は次のように話す。

「例えば、イオンは食育や教育と消費者との生活に密接にかかわっている。ユニクロでは、作る責任として衣服の回収も行い、ユニセックスの製品を作っている。身近に感じることのできる企業としての特徴が表れている」

 知人や同僚、家族など身近な人から入手した情報は、他の経路で入手した情報よりも信頼されやすく、商品の購入やサービスの利用につながりやすくなる。流通・飲食業界は、SDGsの情報を得ている人が最も多い業界という結果が得られた。

(フリーライター 西嶋治美)