調査では、各社のSDGsに関する情報を主にどこで入手したかについても尋ねているが、全業種を通じて最も多いのが「テレビコマーシャル」。次いで「テレビ番組やニュース」だった(※3)。情報発信による認知度の向上は各社共通の課題だ。

※3 「各社のSDGsに関する情報は主にどこで入手しましたか」の設問に対し、「テレビ番組やニュース」など12の媒体(入手経路)の中から選んでもらった(複数回答可)。本記事の表には記していない。

SDGsの認知が高い人ほど
好感度・就職意欲・投資意欲が高い

 また、調査ではSDGsについての理解が高い人ほど、調査対象となった企業への評価が高いことも分かった。SDGsに関して「詳細な内容を知っている」人では、対象の210社について「とても好感が持てる」と回答したのが29.2%(210社平均)だったのに対し、「ある程度の内容を知っている」人は10.3%(同)にすぎない。一方でSDGsについて「知らない」と回答した人で企業に対して好感を持てると回答したのは6.4%(同)だった。つまり、SDGに関する認知度の高い人の方が企業に好感を持ちやすいことになる。

 これについて田中社長は、「この傾向は就職意欲についてはさらに極端で、『詳細な内容を知っている』人は210社平均で21.6%が『ぜひ働きたい』と回答したのに対し、『ある程度の内容は知っている』では5.3%だった。投資意欲においても同様の結果で、SDGsについて認知の高い人ほど、投資に積極的だということがわかった」と説明する。

 いまや、SDGsは、企業評価の尺度のひとつとして完全に浸透してきているのである。 

(フリーライター 西嶋治美)

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