「親しくなると別人のようだった」も隠れ内向のサイン?

榎本博明『何でもないことで心が疲れる人のための本 「隠れ内向」とつきあう心理学』日本経済新聞出版榎本博明『何でもないことで心が疲れる人のための本 「隠れ内向」とつきあう心理学』(日本経済新聞出版)
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 また、内向型には、「場によって別人になってしまう」という傾向もあります。

 例えば、職場の多くの人たちには「◎◎さんって真面目な方ですよね」と言われているのに対し、長い付き合いのある親しい同期には「えっ、あなたが真面目!?」と真逆の評価を受けていたりします。慣れない人といるときと、よく知っている馴染みの人といるときで、まったく別人になってしまうのです。

 これは決して、意図的に猫をかぶっているからではありません。外向型が、かかわりの薄い人たちとの場でも、気心の知れた友達といるときと同じようにごく自然に振る舞うことができるのに対し、内向型は、慣れない場や慣れない人に溶け込むのに、非常に時間がかかります。

 そのため、内向的な気質の人は、かかわりの薄い人に対してどう振る舞ったらいいのだろうと過剰に緊張してしまい、過剰に気をつかった結果、素の自分とは全く別のキャラクターになってしまうのです。一方で、つきあいの長い馴染みの相手に対してはあまり気をつかわず自然に振る舞えるため、「親しくなってみると第一印象とは別人だった」ということが起こります。

 これまで、「親しくなると全然キャラが違った」「もっと〇〇な人かと思ってた」などと言われたことのある人は、もしかすると内向型の傾向があるかもしれません。次回は、内向型の強みについて紹介していこうと思います。