LINEミニアプリとは、自社サービスをLINE上で提供できるアプリ内アプリの仕組みだ。ユーザーは新たにアプリをダウンロードしなくても、QRコードを読み取るだけですぐにサービスを利用できる。随分前からスマホユーザーのホーム画面は飽和状態で、せっかくアプリを作ってもダウンロードされない、使い続けてもらえないという課題がある。LINEは今や国内8900万ユーザーを擁し、アクティブ率は85%に上る※。そのLINEがプラットフォームとなり、サービス事業者がミニアプリを提供することで、よりスムーズに客とのエンゲージメントを高められると言われている。

※編注:ユーザー数は2021年9月末、アクティブ率は2021年3月の数字。いずれもLINE発表。

QRコードによるテーブルオーダーで
スタッフ減にも対応可能に

 LINEミニアプリを使ったテーブルオーダーを見ていこう。

LINEミニアプリによるQRテーブルオーダーの仕組み(提供:LINE)LINEミニアプリによるQRテーブルオーダーの仕組み(提供:LINE)

 スマホでQRコードを読み取るとLINEミニアプリが立ち上がり、メニューが表示され、テーブルオーダーが可能となる。同時に、店のLINE公式アカウントに友だちとして追加される。テーブルオーダーのシステムには客の年齢や性別、注文したメニューなどのデータが蓄積されるため、顧客分析や販促にも生かせるという。

 筆者も、ムゲン食堂と同じ仕組みを導入している都内の餃子店でQRオーダーの使い心地を試してみた。自分のスマホを使い、EC感覚で一度も迷うことなく注文できた。ちょうど店が混みだす前の時間帯でスタッフは1人、いわゆる「ワンオペ」の状態だ。

 餃子店の店主に話を聞くと、LINEミニアプリの導入で少人数でも対応できるようになり、助かっているという。確かに一人で餃子を包みながらオーダーまで取るというのは容易ではない。