熟成樽「魅惑の香り」

熟成室でのみ、マスクを外して説明をする名ガイドのウィルさん熟成室でのみ、マスクを外して説明をする名ガイドのウィルさん

 ツアー最後の締めくくりは、ズラリと並んだ熟成樽の見学です。ウイスキーは新品の木樽、あるいはバーボンやワインなど、すでにほかの酒を熟成するために使われた樽を使用し、それによって味の個性が生まれます。

 糖化時の臭いとは違い、こちらの暗室では甘い「よい匂い」が充満しています。このときばかりは、ツアー客もマスクを外してよいとの指示がウィルさんより出されました。さらには樽の蓋を開けて、ひとりずつ順番に匂いを嗅ぐこともできました。

お待ちかねの試飲タイム

飲食ができるカフェ・バーのカウンター飲食ができるカフェ・バーのカウンター

 伝統的なビクトリア朝の赤レンガ造りが特徴のグレンキンチー蒸溜所は、昨年2020年に巨額を費やし、内部を全面改装しました。そのおかげで館内は、受付から飲食できるバー・エリアまで、どこもモダンでピカピカです。

熟成期間によって変化するスピリッツの色熟成期間によって変化するスピリッツの色

 複数ある試飲ルームも、オレンジ色の照明に包まれ、おしゃれで落ち着いた雰囲気です。各席にはそれぞれグラスに入った3種のウイスキーが注がれ、運転者には持ち帰り用の小瓶が、子供にはジュースが提供されます。

 正面の壁には「フルーティー」、「スパイシー」などと書かれた、カラー・チャートならぬ、円型の味覚表が掲示され、はじめはロックで、次に水を数滴垂らして、どのような味の変化が起こるかを皆で自由に話し合います。