ならば単純に、そういう食べ方を一つずつやめていけば、食べすぎを防ぐことができるというわけです。

 とはいえ食べ方というのは、長年の間にしみついたもの。いきなり変えるのは至難の業です。そこで、

「とりあえずはじめの三口でいいので、ゆっくり、ていねいに食べてみる」

 ということからはじめてみましょう。

まずは三口で始める
「ゆっくり、ていねい」な食べ方

(1)まず目の前の料理を、じっくりと観察します。

「肉汁がしみ出ていて、ジューシーでおいしそうだな」
「旬の野菜のいろどりがきれいだ」
「魚が香ばしく、上手に焼き上がっているな」
「お椀から立ちのぼってくるお味噌の香りが上品でいいな」

 といった具合に、五感で色や香りを堪能します。唾液がわいてきて、脳が食べる準備を整えます。

(2)次に、どのおかずでも、ごはん粒だけでもいいので、一口、ゆっくりと口に入れます。そうしたら目を閉じて、食材から味がしみ出てくるのを十分に楽しみながら、「これ以上はできない」というくらい何度も何度も咀嚼して、ゆっくりと飲みこみます。

 日ごろは意識しないような咀嚼音や歯ごたえにも注意を向けてみると、おもしろい発見があるかもしれません。