両立は「よくばり」?広島県知事「表現として問題ない」
11月30日に行われた広島県知事の定例会見(4分30秒頃〜)の中で、男性記者が「よくばりハンドブック」について質問をしている。
湯﨑英彦知事の回答によれば、広島県では以前から「仕事と暮らし」の両立についてどちらかを妥協するのではなく、どちらも充実させることのできるワークライフバランスを提唱し、これに「仕事も暮らしもよくばりなライフスタイル」と銘打ってきたという。
湯﨑知事は、働く女性の応援に限って「よくばり」と表現したわけではないと説明し、記者の問いかけに表現として問題ないと考えていると回答した。
この説明を聞くと、女性だけに限って「よくばり」を使ったわけではないことはわかるが、そもそも男性でも女性でも「仕事と暮らし」の両方を充実させることが「よくばり」と表現されるべきなのかという疑問も生まれる。
民間企業のサービスや商品のキャッチコピーで、お得感を演出するために使われるならわかるのだが、行政が市民の生活を応援するために「よくばり」という表現を使うセンスはイマイチわからない。少しでもより良く生きようと努力することが、「よくばり」なのだろうか。
また、同じ表現をそのまま使うにしても、女性が働くことへの理解がなかった過去(そう遠くない過去である)について考えれば、この表現への批判は予測できたはずだ。
自分勝手な夫の愚痴をそのまま掲載
ハンドブックが批判されたのは、「よくばり」だけではない。ハンドブックの中にはワーキングママの心構えとして、「同僚・周囲への感謝と配慮を忘れずに!」と説明されているページがある。
これは、同僚や上司、夫、祖父母から迷惑がられているかもしれないという想定をもとに「感謝の言葉をこまめに伝える」といった先輩ママからのアドバイスが載っている。
特に批判されているのは「パパ(夫)」のセリフだ。