「『私ばっかり家事と育児をしている』というけど、こっちだって仕事で疲れてるんだよね。夜泣きがうるさくても我慢してるし、多少は手伝っているんだから、勘弁してほしいな…」

 一字一句、ツッコミどころ満載である。仕事・家事・育児をこなしている妻に対して「こっちだって仕事(だけ)で疲れている」と言っているのである。さらに夜泣きを我慢したことや、多少手伝ったことが免罪符になると思っている。ちなみに育児や家事について夫が「手伝う」は、現代ではもはやタブーである。手伝うのではなく、主体的にコミットすることが求められているからだ。

「育児は女性の仕事」「女の仕事は男より楽」という強い思い込みがなければ、ここまで自分勝手な愚痴をそのまま掲載できないだろう。

 この夫の愚痴に対しての、「新米ママ」からのアドバイスがこうだ。

「『お願いは時間を区切って具体的に』『手伝ってもらったことにダメ出しはしない』が、わが家のルール。ちょっと大げさに感謝すると、パパもやる気を出してくれます」

 ワーキングママは、夫に対してもマネジメント力を発揮しなければならない。それも下手に出ながら、である。

 こんな「指南」は、家事・育児を当然にこなしている世の中の男性にとっても失礼だと感じる。喜ぶのは、自分勝手な愚痴を普段から言っている「パパ」だけだろう。ハンドブックのこの部分だけでも今から修正してほしい。