“万病の元”内臓脂肪型肥満とメタボ撃退のため、ただちに始めるべき生活習慣万病の元である肥満のリスクとそれを解消するために有効な運動習慣とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

運動によって心身を健康に保つためには、どうしたらいいのか。今や日本人の成人男女の多くが肥満といわれる。万病の元である肥満のリスクと、それを解消するために有効な運動習慣について解説する。あなたは大丈夫だろうか。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)

万病の元である肥満防止は
食事制限でなく運動で

 世界的に見ると日本人に肥満は少ない。それでも日本の成人男性の3人に1人、成人女性の5人に1人は肥満。最近はコロナ太りも増えた。

 かつては「風邪は万病の元」といわれていたが、現在は「肥満は万病の元」というのが定説。太っていると見た目が残念なだけではなく、高血圧、動脈硬化、脂肪肝、そして大腸がんや乳がんの誘因にもなる。

 肥満からの脱出は健康作りの一丁目一番地だが、ダイエット(食事制限)で痩せるのはNG。

 筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也教授は、「食事制限では体脂肪ばかりではなく、大事な筋肉も減る。肥満解消には運動で消費カロリーを増やすことが欠かせないのです」と指摘する。

“万病の元”内臓脂肪型肥満とメタボ撃退のため、ただちに始めるべき生活習慣
中年肥満女性を対象に、食事制限と運動を組み合わせて3か月間の減量教室を実施。筋トレを組み合わせない限り、食事制限は筋肉量の減少を招いた(出典/筑波大学久野研究室)

 そもそも運動不足だと、40代以降では年1%ずつ筋肉が減る。さらに、久野教授らの研究では、食事制限を3ヵ月続けるだけで、3.5%も筋肉が減るという報告もある。筋肉は、じっと横になっているときでも消費する基礎代謝の約20%を占める。筋肉が減ると代謝が落ち、余計に太りやすくなるので逆効果なのだ。

 平均的な摂取カロリーを見ると、日本人の大半は決して食べすぎているとは言えない。それなのに肥満者が多いのは、運動などによる消費カロリーが足りないからだろう。運動量を増やし、肥満をリセットしよう。