異所性脂肪の恐怖から筋肉と肝臓を守り抜く「理想体重」の基礎知識体に脂肪が溜まると、万病の元に。理想の体重を維持するための目安とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

運動によって心身を健康に保つためには、どうしたらいいのか。今や日本人の成人男女の多くが肥満といわれる。万病の元である肥満のリスクと、それを解消するために有効な運動習慣について解説する。皮下脂肪と内臓脂肪以外に溜まる、特にリスクの高い「第三の体脂肪」とは何か。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)

糖尿病や脂肪肝を招く
「第三の体脂肪」とは

 肥満者では、皮下脂肪と内臓脂肪以外に溜まる体脂肪がある。それが、異所性脂肪。「本来は溜まらない場所に溜まる脂肪」という意味だ。

 異所性脂肪が真っ先に溜まりやすいのが、筋肉。筋肉は、前述のように筋細胞を束ねたもの。筋肉の異所性脂肪には、霜降り肉のように筋細胞の間に溜まるものと、筋細胞内に溜まるものがあり、いずれも筋肉の機能を妨げる。たとえば、筋肉は血糖の最大の引き受け手だが、異所性脂肪が溜まると血糖を取り込む能力が落ち、高血糖、糖尿病を招く。

異所性脂肪の恐怖から筋肉と肝臓を守り抜く「理想体重」の基礎知識

 この他、肝臓にも異所性脂肪は溜まりやすい。それがいわゆる脂肪肝。

 脂肪肝はお酒の飲み過ぎで起こるという印象が強いけれど、甘いモノなどの過食などで脂肪肝になることもある。それを放置して非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進行すると、のちのち肝硬変や肝がんに至ることも。

 異所性脂肪を退治するのに有効なのも、やはり有酸素運動。

「有酸素だと異所性脂肪は減りやすいのに、ダイエットのみだと異所性脂肪は減りにくいので要注意です」(筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也教授)