働き方は元通りには戻らない、ハイブリッドに落ち着く

 前述のように、コロナ禍で働き方が変わり、クラウドの利用やリモートワークが普及した。今後、感染リスクが低くなったら、働き方は完全に元に戻るのだろうか?

働き方はどう変わったか? Photo:Box働き方はどう変わったか? Photo:Box

 古市氏の見立ては“元通りに戻ることはない。ハイブリッドに落ち着いていくだろう”である。「人間は、便利さを体感すると以前の不便な状態には戻れない。在宅で勤務でき、それが快適であれば、ある程度定着するだろう。まだまだユースケースを蓄積している状況だが、おそらく話し合いや議論が必要な場合は対面、通常のオペレーションはテレワークでも良いというように使い分けていくことになるのでは。週に何日在宅勤務して何日会社に行くのか、出社の回数は企業や業務により異なるだろう」(古市氏)

 一方で、そもそも日本のテレワーク率は高いとはいえない。公益財団法人 日本生産性本部のデータを見ても、2020年7月から2割前後で定着している。古市氏は、IMD(Institute for Management Development)が作成する「世界デジタル競争力ランキング」で日本が27位と低い順位であることを問題視している(2020年の調査、2021年は28位)。実際、コロナで官公庁のデジタル化の遅れが浮き彫りになった。