そんな場合に個人投資家が取るべき基本的なスタンスとして正しいのは、投資している先の企業に関する個別の悪材料が出たのでなければ、あまり極端に反応しないことだと思う。

 過去の事例を振り返ってみても、こうした一時的な“○○ショック”というのは、不安感から大きく株価が下落することはあっても、その後はそれほど時間を経ずに回復していることがほとんどである。ところが、株式投資というのは先の見えないものにお金を投じるわけであるから、市場が最も嫌うのは「不安感」だ。最近の例で言えば、世界的に新型コロナウイルスが拡大を始めた2020年の2月から3月にかけて市場は短期間のうちに30%以上下落したが、その後数カ月で回復し、今では当時から倍近くに上昇している。

 株価が下がるときの理由は、大きく分けて3つある。一つ目は業績悪化や成長鈍化といった個別企業のマイナス要因。そして二つ目が、金利上昇や景気全体の悪化といったマーケット全体の悪材料だ。そして三つ目が、経済とは直接関係のない社会不安や事件が起こった場合だ。もちろんこうした社会不安が昂じることで経済にも影響を与えることはあり得るが、多くの場合は比較的短い時間でこの不安は払拭(ふっしょく)されることが多い。

 では、個人投資家として、こうした3つの下落パターンの場合、どんな行動を取るべきなのだろうか。