Zさんが3人目の子どもを産んでも
家計は大丈夫?

 Zさん一家の金融資産は2年間で1410万円になる予定ですが、当然、全額を貯金できるわけではありません。このお金から東京への引っ越し資金、家の確保費用のほか、夫の独立費用などが発生する予定だからです。Zさんの夫は建築関係の仕事をしていて、パソコンやソフトさえあれば独立できるそうなので、独立費用は多額にならない可能性はあります。しかし、パソコンの費用はざっくり予想できるものの、ソフトの費用は皆目わかりません(これら独立費用は夫に必ず確認しましょう。独立後の収入見通しも必ず確認してください)。

 そのため、推測を交えた試算になることをご了解ください。夫の独立費用は事務所を借りると仮定して300万円、引っ越し費用と家の確保費用も300万円とすれば、残りの金融資産は1410万円−600万円=810万円になります。Zさんは東京へ移られても働く予定なので、810万円の金融資産があれば金銭面での過度な心配はないように思います。

 では、3人目の子どもを授かった場合も予測しておきましょう。Zさんには、35歳になる3年後までに3人目を授かりたいという希望があります。夫の独立&東京へ移るのが2年後なので、現在の会社の異動が認められれば産休・育休の不安も少なく、また給付金なども受け取りやすいことでしょう。しかしながら、異動が認められず退社した場合、東京で新たな職を得る前に、体調を考慮して休まなければならない可能性もあります。もしもを考えると、東京へ移った場合はZさんの収入は当面0円となる可能性があるので3人目の出産などにかかる費用は、全額810万円の金融資産からまかなう事態もありえるでしょう。

 仮に夫が独立して無収入の期間が仮にあったとしても、数カ月だと考えられますので、Zさんの収入が0円だったとしても、世帯収入が0円の期間がそれほど長くはないと思われます。したがって、3人目を授かり金融資産を取り崩したとしても810万円から数百万円規模の減額で済むのではないでしょうか。想定外に費用がかかり、また夫の収入が低くても、金融資産の半分の400万円前後は残ると推測できるので、3人目を授かっても大丈夫かと思われます。

 ただ、より安心を得るならば、夫の独立を3人目が生まれた後に延ばす方法も検討できるのではないでしょうか。そうすればその分貯金ができるでしょうから、余裕が生まれるはずです。Zさんは夫独立1年前に東京へ移り、東京で出産、その後独立というイメージになります。