君ひとりでクリスマスパーティーに来るように

 12月上旬、来社したB子にC部長は、

「明日の部内クリスマスパーティーにB子ちゃんは特別ゲストでご招待しちゃう。もちろんOKだよね?」と声をかけた。B子はとっさに「課長に相談してからお返事します」と逃げたが、C部長は、「A課長は要らない! 君だけでいいんだよ。待ってるから必ずおいで」と執拗(しつよう)に誘った。

 困り果てたB子は、帰社後A課長に、

「C部長から資材部のクリスマスパーティーに招待されましたが、C部長にいろいろ言われるので気が進みません」

 と相談したが、A課長は首を横に振った。

「パーティーには絶対参加しなさい。これは業務命令だ。私も一緒に行くから、シャンパンの1本くらい持っていくか……」

 B子はA課長がパーティーに同行するならまだ安心だと思い、二人でパーティーに参加することをC部長に話し、認めてもらった。

 ところが当日の夜、A課長は急な仕事が入ったため、仕方なくB子はひとりでパーティー会場である乙社近くのレストランに向かった。

 B子が会場に入ると、早速C部長が彼女を見つけ、無理やり隣に座らせた。そして終始ご機嫌で、B子にお酌をさせたり、雑談しながら頭をなでたりした。B子は心底嫌だったが、仕事のためだと思いひたすら耐えた。