オミクロン株がどう転んでも
「バイ・アンド・ホールド」でいい理由

 感染症の影響が読み切れず、恐怖もあれば、政策への期待もある状況は、2020年の初頭にコロナの問題が最初に発生した時と同じだ。

 この時は、3月まで内外の株価が急落し、その後、先進各国の中央銀行による金融緩和と政府の大規模な財政政策によって、株価も経済も(経済については、日本以外の先進各国は)大いに回復した。

 この間の経験から投資家が得られた教訓は、「常に正しいわけではないとしても、株価はその時々の情報と市場参加者の予想を反映しているので、特別な情報や判断を持っているわけではない投資家は、じっと株式を持っているのがいい(=それしかない)」ということであった。

 20年は株価が短期間に急回復したので投資家が短期間に幸せな形で教訓を得ることができた幸運なケースだった。ただ、回復まで2〜3年かかったとしても投資家が取り得る判断と行動は同じだったはずだ。

オミクロン株による株価下落は
少々意外だった

 付け加えるなら、市場参加者の平均を上回る「特別な情報や判断」を持つことができる投資家は、ほとんどいない。

 上記は、身もふたもない原則論だが、こうした原則論以外にも、投資家はバイ・アンド・ホールド(売り買いせずに買い持ち)でいい理由がある。

 現在の内外の株価は、主として金融緩和政策に支えられて形成・維持されている。将来、オミクロン株が経済にとって大きな悪材料にならないとした場合には、オミクロン株によって株価が下がるわけではない。

 逆にオミクロン株が経済に停滞をもたらすなら、金融緩和政策がより長く継続されるし、悪影響が大きい場合はさらに財政的な政策の追加も期待できる。