大観覧車でもドア全開で乗客を乗せてしまった事案も…
それでも強気の理由

 まず、先ほども申し上げたように、「7カ月未報告」と県のメンツを潰した過去がある。

 そして、今回の負傷が施設と無関係だとしても「事実と異なる公表」をして世の中を騒がせたのは、他でもないハイランド自身である。公表を受けて県も対応に追われて、余計な仕事も増やしている。本来ならば、お茶菓子でも持参して、「いやあ、この度は先走った発表でお騒がせしましてすいませんでしたね」と県の担当者に挨拶くらいしてもいいはずだ。

 そこに加えて、「安全管理」を県が疑うような事案が起きたばかりだ。ジェットコースター骨折のリリースを出した2日後、高さ50メートルの大観覧車で、乗客2人が乗ったゴンドラがドア全開で1周してしまった。ドアを閉めて施錠を忘れるのではなく、ドアが開けっ放しのまま係員が立ち去ったという。これを受けて岩田大昌社長は記者会見で「信頼回復の最中での事案で深くおわびします」と謝罪した。

 つまり、ハイラインドは自他ともに認める「信頼回復の最中」にもかかわらず、県庁からの呼び出しを拒否したワケだ。これは一般的な企業危機管理のセオリーから大きく逸脱している。

 では、なぜハイランドは、山梨県との「対立」に踏み切ったのか。