「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」

 森氏と並ぶ失言王の麻生太郎自民党副総裁は、今年も失言している。10月25日、衆院選の応援演説で訪れた北海道小樽市で、「温暖化と言うと悪いことしか書いていないが、いいことがある」「(北海道のコメについて)温度が上がり、うまくなった。それを輸出している。これが現実だ」などと話した。

 発言を受けて翌日夜のテレビ番組で岸田文雄首相が陳謝。野党からも批判が相次いだが、麻生氏からの直接の釈明などは行われていない。

 日本では海外に比べて温暖化など環境問題への関心が薄いと言われる。今年9月には世界1500カ所で気候変動デモが行われ、数十万人が参加した都市もあった。麻生氏の発言は、温暖化についての知識不足や問題軽視を露呈するものだった。

 また、麻生氏の発言には「昔、北海道のお米は『厄介道米』と言われるほど売れない米だった。農家のおかげですか? 農協の力ですか? 違う。温度が上がったからだ」というものもあった。北海道農民連盟は「今までの北海道米を作る生産者の努力と技術をないがしろにするような発言は断じて許されない、強く抗議する」と談話を発表している。