娯楽費を月15万円に増やした場合
65〜80歳までの家計収支と、80歳時点の資産はどうなる?

 65歳以降はご夫婦共に公的年金が受給できるため、収入額にXさん250万円、奥様100万円が加わります。したがって、ご夫婦の年金額350万円が年間収入としてプラスされ、850万円に増額されます。

 収入が増える分、支出項目も変化します。健康保険料や介護保険料の負担額も増えるのです。ここでは税・社会保険料等の負担が年間35万円増えると試算しましょう。すると、年間支出額は876万円から911万円に増えます。

 年間収入が850万円、支出が911万円ですから61万円の赤字です。毎年金融資産から取り崩される計算になります。つまり、70歳までの5年間では61万円×5年間=305万円が取り崩されます。65歳時点の金融資産1億3096万円が、70歳では1億2791万円になります。

 70歳以降のキャッシュフローも確認しましょう。個人年金保険100万円の収入が無くなるので、収入は750万円になります。支出はXさんの希望(1)の通り80歳まで変えないとすれば911万円です。すると、70歳以降の家計収支は、収入は750万円、支出は911万円、年間161万円の赤字です。80歳までの10年間では1610万円の金融資産を取り崩す計算になります。

 Xさんの70歳時点の金融資産額が1億2791万円でした。そこから1610万円を取り崩すと、1億1181万円が80歳時点で残ることになります。80歳時点で1億1181万円残れば充分でしょう。