総予測2022#欧州経済Photo:PIXTA

2022年の欧州経済はやはり新型コロナウイルス感染抑制ための行動制限の影響を受ける。ただ、行動制限はそれほど厳しいものにはならないと予想される。特集『総予測2022』の本稿では、欧州経済の先行きを徹底分析した。その他の景気のへのブレーキ要因もこなして、ユーロ圏、英国ともに4%台の成長となりそうだ。(第一生命経済研究所主席エコノミスト 田中 理)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

感染再拡大が22年春先にかけ
景気のブレーキに

 コロナ禍克服と経済復興を目指す2022年の欧州経済に、感染再拡大と新たな変異種(オミクロン株)が冷や水を浴びせている。ドイツ、オランダ、オーストリア、スロバキアなどではこのところ、1日当たりの新規感染者数が過去最高を更新している。

 ワクチン接種の進展もあり、多くの国では重症患者や死者の数が過去の感染爆発時ほど増えていない。それでも感染者が多い一部の国や地域では病床逼迫が顕著となり、部分的ロックダウン再開や行動制限の再強化に乗り出している。

 21年の春から夏にかけての欧州経済は、行動制限の段階的な緩和やワクチン接種証明の運用が開始されたことを受け、経済活動再開や域内の観光需要の回復に支えられて、プラス成長に復帰した。

 だが、この冬場から22年春先にかけては、感染再拡大の影響に加えて、以下の要因が欧州景気にブレーキをかけることが予想される。

 景気ブレーキをかけるその要因とは何か。欧州主要国の成長率予測とともに解説する。