IOC統括部のクリストフ・ドゥビ(Christophe Dubi)部長は「IOC、IPC、北京冬季オリンピック組織委は共同して、衛生とスポーツイベントに詳しい世界トップクラスの専門家と緊密に連携しつつ、必要な防疫措置を最終決定し、北京大会の安全と成功を確保した。安全な環境作りで選手たちは競技に集中できるというのが、今大会の最も基本的な要件だ」と強調する。

 10月から12月にかけて、北京で行われた複数回のテスト大会では「防疫手帳」第1版に基づいた政策と措置を実践した。組織委施設管理部の姚輝部長は「繰り返し検証した結果、防疫手帳の措置の科学的な有効性が証明された」という。

 ちなみに「防疫手帳」の要点は、次の六つである。

(1) 閉鎖管理
 特殊な管理方法だが、不必要な接触を減らし、大会関係者と一般国民の安全を保障すると同時に、必要な日常業務の遂行を確保する。「防疫手帳」に従ったワクチン接種を終えている者は、入境後21日間の集中隔離は不要で、直接「閉鎖環境システム」(閉鎖エリア管理)に入ることができる。

(2) ワクチン接種
 中国に入境する全ての関係者は、14日以上前にワクチン接種の全行程を終えている場合のみ集中隔離を免除され、「閉鎖環境システム」に入ることができる。「防疫手帳」に基づくワクチン接種が未完了の者は、北京到着後21日間の集中隔離が必要。

(3)検査、追跡、隔離
 厳格な防疫措置を取り、検査により出来る限り迅速に感染者を検出し、濃厚接触者、感染リスク対象者を洗い出し、隔離措置によって感染の伝播(でんぱ)を阻止。

(4)接触の縮小
 新型コロナウイルスはせき、くしゃみ、会話、大声、歌唱を通じて、主に飛まつで伝染する。ワクチンを接種し、接触を最小限にし、マスクを着け、密閉空間を避け、人の密集と濃厚接触を避けるなどの対策が必要。

(5)衛生意識
 良好な衛生意識を持つことが最も重要。手洗い、定期的消毒、物への直接の接触を回避、常にマスクを着用する。