「マンガがおもしろいから大丈夫! 知らないことがわかるのがうれしい」

 隼君の父・康太さんはこう話す。

「隼はもともと“人が知らないことを知りたい”と思うタイプ。『サバイバル』には、家族や友達に伝えられる知識がたくさん載っているので、興味持ったんだと思います。本からクイズを出されることもありますが、私も知らないことがたくさんです」

隼君が『干潟のサバイバル』を参考に作ったノート隼君が『干潟のサバイバル』を参考に作ったノート 拡大画像表示

 子どもに本を読んでほしい、子ども自ら学んでほしい。そう願う親は多いと思うが、難しいことも多いだろう。そんなとき、学習漫画が子どもの知識欲に火をつけることがある。

 東京都の小学2年生・りく君は算数は得意だけど、国語系は苦手。本もあまり好きではなかった。

 りく君のお母さんは、「もっと本を読んでほしい」という思いから、あるブログですすめられていた「実験対決」シリーズの1巻を買ってみた。

 同シリーズは“科学大好き!”の小学生が、科学実験の大会で実験を繰り広げる学習漫画。2021年12月現在、39巻まで発売されている。

 購入後、中身を見ると少し難しい気がしたので、「もう少し先かな」と思って本棚にしまっておいた。ところがりく君が本棚から見つけ、夢中で読み始めたという。今では「実験対決」は11巻までそろい、前述の「サバイバル」も読み始めたところだ。

「『実験対決』も『サバイバル』も、“お勉強”という雰囲気がしないのがいいですね。うちの子は押しつけがましいのが嫌いで、少しでもそう感じるといいものでも拒否反応を示すんです。本もこちらからすすめずに、本人が“発見した”のがよかったんだと思います(笑)」(りく君の母)

 最近のりく君は、「早く3年生になって理科の授業がやりたい、実験してみたい」と言ったり、「慣性の法則って知ってる?」と、家族に説明してくれたりするという。

「どこまで本当に理解しているのかわかりませんが、理科の雰囲気に触れるだけでも意味があるのかなと思います。『実験対決』も『サバイバル』も漫画とはいえ、難しい言葉も登場するので、文章力も向上した気がします。音読も以前よりもスラスラできるようになりました」(同)

 神奈川県の小学2年生・西山大智君は、図書館で借りた『激流のサバイバル』『洞窟のサバイバル』がきっかけで、「サバイバル」のファンになった。

「モモがヘンなことしてるのがおもしろかった!」(大智君)

「モモ」とは「洞窟のサバイバル」の主人公。「お尻ダンス」を踊り、おならもしょっちゅう。そんな“小学生男子が好きそうなエピソード”が、大智君の心をつかんだようだ。さらに現在は、多くのタイトルで主役を務める「ジオ」がお気に入りだという。

「ジオは知らないことばっかりだから、仲間がいろいろ教えてくれるのが勉強になる!」(同)

 実際、大智君の頭の中にはかなりの知識が入っているようだ。大智君のお母さんはこう話す。