預金にもリスクがある
資産の一部は株式で持とう

 筆者は、株式投資にリスクがあることは十分承知しているが、同時に預金にもリスクがあると考えている。預金はインフレに弱いため、インフレが来て老後資金が目減りしてしまう可能性があるのだ。

 そうしたリスクを避けるためには、インフレに強い資産を持つべきだ。株は、まさにインフレに強い資産なのである。

 リスクを減らすという観点から、資産の一部は株式で持つべきだ。株式を持つことによって、老後資金のリスクが増えることにはならない。

 このように、株式投資がリスクを増やすだけでなく、減らす方向にも作用し得る。このことを多くの人が考えるようになれば、株を持つ人が増えると期待されるところだ。

短期投資には
益利回りは無縁

 ここまでは、長期投資に関する話であり、短期投資をする投資家には無縁のものだ。今日買って明日(あるいは数カ月後)に売ってもうけよう、と考えて投資をする場合には、配当利回りも益利回りも関係ないからだ。

 そうした投資であれば、市場参加者の思惑などに留意し、「美人投票」の世界で稼ぐことを考えればよい。このため、配当や内部留保について考える必要はない。今日買って明日売るのであれば、益利回りが高くても手数料で消えてしまうだろう。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、当然であるが、投資は自己責任でお願いしたい。