空前の低金利が続いているが、10年後、20年後も同じであるとは限らない。「家計の見直し相談センター」ファイナンシャルプランナーの山田和弘氏に、ライフプラン別の住宅ローン選びのヒントを伝授してもらった。

教育費とローン返済を
両立させるには?

「住宅ローン選びは、必ずライフプランとセットにして考えることが大切です」と山田氏。

 例えば、子どもがまだ小さければ、向こう10年から20年は教育費の負担が年々重くなっていく。昨今の経済情勢を考えると、収入がさほど大きく伸びることは期待できない。

山田氏かお写真ファイナンシャルプランナー
「家計の見直し相談センター」専務取締役
山田和弘
横浜国立大学工学部卒。生命保険会社を経て、同窓の仲間とともに「家計の見直し相談センター」を設立。個人向けファイナンシャル・プランニングサービスを行っている。ファイナンシャルプランナー CFP認定者。宅地建物取引主任者。生活デザイン株式会社専務取締役。

 しかも、現在の低金利状況が10年後、20年後も続いているという保証はない。変動金利型住宅ローンを選択した場合、返済負担が一気に重くなり、子どもの教育に回すお金が足りなくなる可能性もある。

「そうした場合は10年固定、20年固定金利の住宅ローンを選択して、子どもが大きくなるまでの間は、金利変動リスクを抑えながら月々の返済額をなるべく少なくする方法が考えられます。固定期間を過ぎると返済額が増える可能性もありますが、そのころには子どもが大学を卒業して教育費の負担から解放されているので、返済額がアップしても乗り切れます」(山田氏)

 その典型的な例が次ページに紹介するAさんのケースだ。

 現在は空前の低金利の影響で、変動型住宅ローンの金利はメガバンクで0.875%前後と低水準。だが、将来金利が上昇した場合の返済額をシミュレーションしたところ、かなりの負担増になることがわかった。

 そこで、夫婦で半々のローンを組み、妻は10年固定金利、夫は変動金利型を選択した。

 これは、固定&変動のミックスで返済額を抑えつつ金利変動リスクも抑える考え方だ。

 あるいは、金利変動リスクを避けるため、思い切って全期間固定金利型のフラット35Sを選んだBさんのケースもある(3ページ参照)。将来の収入減を見越した返済プランを立てたCさんもいる(4ページ参照)。

 どのケースが自分に近いか、ぜひイメージを膨らませながら読んでみてほしい。