希望通り3人目を授かった場合
Bさん夫婦は60歳時点でいくら貯められる?

 では家計収支から見ていくことにしましょう。

 世帯収入は、Bさんが月27万円、夫が16万円の合計43万円。これに子ども手当て1万5000円を加えて、44万5000円です。ただし、Bさんの収入は残業や各種手当てで変動があります。夫も月によりかなり変動があり、コロナ禍の影響で収入がマイナスの月もあるそうです。

 今の収入をボトムと考えるか、さらに下がるのかは分かりかねますが、この試算では収入は44万5000円で変わらないとします。また、Bさんはパート勤務への変更を希望していますが、正社員のままという前提で試算を進めます。

 一方、支出は記載のある項目を合計すると27万円になり、収入44万5000円から差し引くと17万円5000円の黒字です。貯蓄性の保険の支払額(6万円)と、毎月の貯蓄額(5万5000円)、NISAへの投資額(6万円)を合計すると、月17万5000円となるので、毎月の黒字額がそのまま上記3項目に回っている計算になります。

 Bさんには年間40万円のボーナスが出ていますが、夫婦の医療保険などのほか、車検代や自動車保険、固定資産税、夫の国民健康保険などの支払いに充てられ、余ったらレジャー費に回しているため、ボーナスからは貯蓄は行われておりません。

 月17万5000円、年間210万円の貯蓄が継続できれば、10年で2100万円、20年で4200万円の貯蓄を積み増すことができます。

 Bさんと夫は共に、現在31歳ですから、現在の収支が継続すれば60歳までの29年間では6090万円の貯蓄ができることになります。現在、2人目のお子さんを妊娠しています。希望通り3人目を授かるとして、試算してみましょう。

 Bさんは産休・育休で2人合わせて5年間は働かないとします。その間、貯蓄が全く出来ないとすれば210万円×5年間で1050万円の貯蓄額減少となるため、60歳までの貯蓄額は5040万円になります。

 子どもが小さいときは保育園に通園させ、また小学校の学費は毎月の収入から賄うのが一般的になります。現在、長男2歳の保育園代として月1万円がかかっていますが、3人になると単純計算では3万円になります。

 また小学校の学費や習い事なども考慮すると、60歳になるまで29年間のうち12年間は子どもの教育費に月7万円と、単純計算で今の2倍強の費用が必要となるでしょう。年間84万円、12年間で1008万円かかることになります。

 29年間の貯蓄額は、5040万円から1008万円を差し引いた、4032万円となります。