実際どれほど需要があるの?
映像クリエイターのリアルな求人事情
実際にどんな求人があるのだろうか。
まずはネット広告を配信する大手企業。こちらは予算数千万円という大規模な映像プロジェクトに携わるクリエイターを探している。映像制作会社からの求人も多い。また、昨今増えているニュースサイトなどのプラットフォーマーや、大手CM制作会社など業種は多岐にわたっている。
中でも需要の高い職種が、プロダクション・マネジャーである。これは映像プロジェクトを企画立案し、予算や進行状況を管理する職種である。クライアントと制作サイドの間に立つ重要な仕事だが、とある理由から圧倒的に人材が不足しているという。
「映像クリエイター業界は、実際に映像を演出する“ディレクター”志望者が大半を占めており、プロダクション・マネジャーのようなマネジメント業務を志望する人が少ないのが理由です。とはいえ、企業からの問い合わせは日々急増しているので、どうやってプロダクション・マネジャー志望者を増やしていくかが、現在の課題です」
最近の傾向としては、一般企業が社内で動画を作るための人材を募集する案件も増えているという。これは、これまで外注していた企業が動画配信量の増加により、インハウスで人材を育てたいと考え始めたからだ。
需要の高まりにより、映像クリエイターは「稼げる仕事」になってきたと岡本さんは断言する。年収1000万円を超える映像クリエイターも少なくない。
超高速大容量5G(第5世代移動通信システム)の登場により、撮影以外は世界のどこにいても仕事ができる時代になった。地方や海外にいても、オンラインで問題なく働くことができる。
実は、最近注目を集めているメタバースも、映像人材の需要を上げる要因の一つだという。
「いま画像やテキストで発信しているコンテンツのほとんどが、近い将来には、動画に置き換わっていくと思います。すると、映像クリエイターの需要はますます高まるでしょう。そのためにも活躍できるクリエイターと企業をつないで、映像業界をさらに盛り上げたいと考えています」
(吉田由紀子/5時から作家塾(R))