――今でも、少数民族問題はミャンマーの一番の問題という声は多いですね。

 今もそうですけど、民族の和解を通じて国が一つになることが大事。建国以来一つになった事がないから、まずはそれが重要です。現地での開発等においても、常に忘れてはいけないのは、多数民族のビルマ族にだけにメリットがある形ではだめなんです。

――今までミャンマーと接してきて、日本人がしやすい失敗はどのようなものでしょうか。

 あまりないと思います。日本とミャンマーの関係はものすごく近い。それから日本におけるミャンマーファンが昔から多いですからね。春名とか豊田章一郎さんに説得したのは、日本の大戦後、食糧・石油不足のときに、ミャンマーからもらったビルマ米の支援が我々の現在の成長のベースだったという、その恩を忘れてはいけないということ。こういった恩はいつか必ず返さないといけないと思います。

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 関氏に、なぜミャンマーにそれほど援助活動を行ってきたのかと聞いたところ、欧米的な基準だけでミャンマーを孤立させてはいけないとの思いがあったとのことだった。相手にとって必要なサポートを長年続けてきたことに対して、ミャンマー側の信頼は極めて篤い。日本はミャンマー進出において、現地への長期的な貢献を意識する傾向が強いとは、現地でよく聞く言葉だ。そういう言葉を今聞くことができるのも、関氏のような貢献活動を長く続けてきた先人がいたからであることを、忘れてはならないだろう。