詩人・草野心平が愛した
美しい自然と村の人々に魅せられて

草野心平資料館。村人との深いつながりを示す写真や書などを展示草野心平資料館。村人との深いつながりを示す写真や書などを展示

 葛尾村から国道399号線を南へと向かい川内村へ。あぶくまの山間にある川内村は、詩人、草野心平(くさのしんぺい、1903年~1988年)がこよなく愛した村として知られています。その美しい自然と村の人々に魅せられた草野心平は、毎年のように訪れては村人と語らい親交を深めていき、1960年には川内村の名誉村民に。その褒賞として贈られた木炭100俵(当時の1俵は約15㎏)のお礼にと、蔵書3,000冊を村へ寄贈したことが文庫建設へとつながったといいます。

「Bar学校」には大きな時計や鐘がついていたりとさながら学校「Bar学校」には大きな時計や鐘がついていたりとさながら学校

「かわうち草野心平記念館」は草野心平資料館と天山文庫の2施設で構成されています。まずは緩やかな坂道を上って資料館へ。館内には、川内村と草野心平に関わりのある数々の資料の展示があります。なかでも草野心平が1960年に東京・新宿御苑に開いた酒場、Bar学校の内観を模して展示されているのが実にユニークです。かわうち草野心平記念館・管理人の志賀さんによると「“学校”という店名にすれば、仲間のみんなが酒場に通いやすくなるから」というのが店名の由来だったそうです。