京都府連で発覚した
数々のスキャンダル

 第二の理由といえるのが、政治家の低いコンプライアンス意識だ。実は自民党京都府連は、ここ数カ月で数多くの“問題”が発覚していた組織だった。

 まず、昨年12月8日に「“ミセス京都”市議の政務活動費不正を夫が実名告発」という記事が文春オンラインで配信された。元ミセス京都のファイナリストだった自民党・豊田恵美市議が、事務所職員だった夫がけがで働いていない期間に政務活動費から給与を不正支出していた疑いを報じたのだ。

 同じ昨年12月に、今度は京都府議である岸本裕一氏が公職選挙法違反の疑いで書類送検されたという報道が出た。容疑は岸本府議が昨年10月の衆院選で選挙運動の見返りに報酬を支払う約束をしたとする疑いだった。

「岸本府議は衆院選公示前、運動員の女性3人に対し選挙期間中に衆院選候補者だった勝目康氏への投票を有権者に呼び掛ける『電話作戦』をしてもらう見返りとして、1時間当たり1000円の報酬を支払う約束をしたとされています。公選法は、ウグイス嬢と呼ばれるアナウンス担当運動員など一部の例外を除き、選挙運動のスタッフに報酬を支払うことを禁止しているため捜査対象となった。岸本府議はもともとトラブルが多い人物で、初当選前に無免許運転を繰り返していたとして罰金刑を食らっていたこともある。府警から常にマークされる存在で、今回の選挙でもその脇の甘さを露呈してしまったのです。岸本氏は後に府議辞任を余儀なくされています」(社会部記者)

 岸本氏による公職選挙法違反は昨年の衆院選で起きたものであり、まさに京都府連のマネロン選挙買収疑惑が発覚する予兆を感じさせる出来事だったといえる。

 このように京都府連はわずか1カ月あまりの間に何件ものスキャンダルを起こす一方で、問題が続発する根本を是正しようという動きは鈍いままだった。こうしたコンプライアンス意識の低さが、選挙買収疑惑の背景にはあるとみる向きは少なくない。